特別列車で江差線の旅、町民有志が実行委発足

update 2013/4/4 10:10


 【江差】来年5月にも廃止されるJR江差線木古内―江差間の功績をまちづくりに生かそうと、江差町民有志が3日、「ふれあいローカル江差線の旅実行委員会」を立ち上げた。10月に臨時特別列車を走らせる考えで、今後関係機関と協議する。メンバーは「戦前戦後の生活を支えた江差線の存在を未来に残したい」と意気込んでいる。

 実行委は元社会福祉協議会職員の田畑栄一さんを会長に、地域で社会福祉事業などに力を入れる14人で構成。3年前から構想を練り、昨夏には関係機関に持ちかけて実行寸前だったが、昨年9月にJR北海道が同区間の廃止案を表明したのを受けて一時、計画は中断状態に。メンバーは、JR側と沿線3町の協議を見守っていたという。

 設立総会では、「世代間交流を通じて協働の喜びをまちづくりに生かす」ことなどの活動趣旨を確認。木古内町に協力を求め、北海道新幹線に関係した交流活動も盛り込んだ。

 特別列車は紅葉が見ごろとなる10月19日を第一希望にJR北海道と協議する。江差―木古内間42・1キロ区間の運行で、2両編成120人の定員を予定している。

 メンバーの多くは、2004年〜09年、大型フェリーを貸し切って江差近海を周遊する「ふれあい船の旅」の実行委だった。田畑会長は「船の旅では年齢や障害の有無に関わらず、多くの人々が垣根なく交流を深められた」と振り返る。「江差線の旅は3年越しの夢。家族との触れ合いを深めるものであってほしい」と話している。

 予算は約53万円の見込みで、チケット代金や企業寄付のほか、道の地域づくり総合交付金の採択も目指す。特別列車の申し込みは7月ごろの予定。

提供 - 函館新聞社


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