3園統合療育・自立支援センター 開設1年 利用者219人

update 2013/4/3 10:05


 函館市立の障害児・者3学園統合施設「はこだて療育・自立支援センター」(湯川町2)が1日でオープン1年を迎えた。利用者数は2月末現在で219人に上り、3学園の利用者もこの1年で新しい環境に徐々に順応。後藤俊夫センター長は「環境の変化による目立った戸惑いもなく、快適に利用していただいていると思う」と話している。

 同センターは肢体不自由児・者施設の青柳、ともに知的障害者施設のあおば、ともえの3学園の連携強化などを目的に建てられた。最新のバリアフリー設備を備え、発達障害の専門医を常勤配置する診療所を設けている。

 これまで異なる場所にあった3学園の施設はいずれも建築から40年以上経過し、冷暖房設備が完備されていないなど利便性に課題があったが、同センターでは冷暖房を完備。広々とした空間と優しい雰囲気を与える暖色、エレベーター設置などを合わせ、快適さがはるかに向上した。

 後藤センター長は「ともえでは入浴したくてもお風呂が古くて使えなかったり、函館山の麓にある青柳は送迎が不便だった。統合でこれらの課題が解消された上、職員間の交流も同じ建物で働くことで活発化した」と話す。

 当初心配された新しい環境への適応も、洗面所などの自動水栓といった戸惑いの要因となるものを設置しないことで対応した。

 またセンター内にある3学園以外の事業所もきめ細かな運営を展開。診療所の総受診者数(2月現在)は外来含めて147人と、一定のニーズに応えた。集団生活への適応訓練などをする児童発達支援の「つぼみ」では、利用する親子が毎日楽しく触れ合っている。

 港町から3歳の子どもをつぼみに通わせる主婦(29)は「入って1、2カ月で言葉が増えた。雰囲気も明るく、子育てには良い環境」と話す。3歳の男の子を通わせる鍛治の主婦(37)は「他の子どもと一緒に過ごすことで、決まり事や順番を守れるようになった。同じ悩みを持ったお母さんたちとも話せて気分が楽になる」と笑顔を浮かべる。

 本年度からは、診療所の診断体制の強化を図るために臨床心理士1人を新たに配置。後藤センター長は「相談体制の充実をさらに図るとともに、まだ新しい環境に慣れていない利用者もいるのでこれからもフォローしたい」としている。

提供 - 函館新聞社


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