函館大火80回忌慰霊法要で冥福祈る
update 2013/3/22 10:01
函館市に甚大な被害をもたらした函館大火の80回忌慰霊法要が21日、函館大火慰霊堂(函館市大森町33)で執り行われた。遺族や消防署員など約50人が参列し、読経と焼香で犠牲者の冥福を祈った。
1934年3月21日、住吉町から出火。風速30b以上の激しい風で瞬く間に燃え広がった。翌22日に鎮火したものの、22町を焼失。被害世帯2万2667世帯、被災者10万2001人、死者は2166人に上った。
全国からの義援金により建てられた慰霊堂には、このうち679人の身元不明者を無縁仏として納骨。同所で毎年犠牲者を慰霊している。
法要では市仏教会の僧侶18人が読経する中、参列者が焼香。目を閉じ、手を合わせながら念仏を唱え、犠牲者への思いと防災の心構えをあらためて胸にしていた。
毎年参列している高盛町の近藤幸治さん(89)は「小学生のときに大火が起き、母と2人で大森浜まで逃げたが、火が浜まで迫り逃げ場がなくなって母は波にさらわれた。このようなことが二度と起きないよう、子や孫に伝えていきたい」と話していた。
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