手で触れて縄文鑑賞 視覚障害者、土器や土偶の魅力満喫
update 2013/3/18 10:29
視覚障害者を対象に縄文土器や土偶に触れ、縄文の魅力を体感する見学会が17日、函館市縄文文化交流センター(臼尻町)で開かれた。視覚障害者と介助ボランティアら約60人が、通常、ガラスケースに入れて展示されている土器や国宝・中空土偶のレプリカなどを手で触り、貴重な体験を楽しんだ。
函館視覚障害者福祉協議会(島信一朗理事長)が企画した試みで、同センターが依頼に応じ協力した。
最初に阿部千春館長が縄文文化について講話し「縄文は1万年以上も続いた文明。小さな集落がネットワークを形成し、自然と共生しながら助け合ってきた」と述べた。
その後、3グループに分かれて土器の手触りを体験し、視覚障害者は介助者に誘導されながらテーブルに並べられた土器や石製の道具類などを順番に触れ、手のひらや指先で感触や形状を確かめながらイメージを膨らませた。
中空土偶のレプリカでは「国宝に触れて感激」などと話す障害者も見られ、高谷幸子さん(73)は「中空土偶は目鼻がきちっとしていて姿が想像できました。一度は見学したいと思っていたので、触れる機会を与えてくれて感謝です」と話していた。
このほか、縄文式の組紐作り体験も行われた。島理事長は「視覚障害者にとって博物館は足の遠のく施設の一つだが、目が見えなくても楽しむ術(すべ)があれば参加意欲につながる。意義ある試みだった」と話し、阿部館長も「通常の展示よりも縄文の魅力が伝わったはず。文化を核とした学び観光として期待でき、今後検討していきたい」と話した。
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