北方歴史資料館所蔵のガラス原板 横山松三郎撮影か

update 2013/3/16 10:14


 高田屋嘉兵衛に関する史料を所蔵する北方歴史資料館(函館市末広町23)で、所蔵していた写真のガラス原板の中に、幕末から明治初期にかけて写真や洋画の先駆者として活躍した横山松三郎が撮影したとみられる、新政府箱館裁判所総督・清水谷公考(きんなる)の肖像写真などがあることが分かった。

 同館の高田菜々館長によると、高田家と横山家は親戚関係にあり、松三郎と弟の松蔵が撮影したとみられるガラス原板77枚、プリントされた写真22枚の所蔵は分かっていたが、解析はできなかった。2006〜12年に、東大史料編纂(へんさん)所の谷昭佳さんが同館所蔵資料をデジタル保存する際、プリントをして写真の内容が判明した。

 清水谷は最後の箱館奉行・杉浦誠から事務を引き継いだ。肖像写真はこれまで、市中央図書館保存のものはあったが、撮影者は不明だった。高田さんにとってうれしい発見は、高田屋嘉兵衛4代目・高田篤太郎と妻の美代、横山松三郎らの集合写真。市内の大三坂付近で撮影されたものとみられる。高田さんは「この写真で高田家と横山家が親密な関係であることが分かる。横山の函館での活動や、当館所蔵の写真と市内にある写真史料を比較すると、新しいことが分かるかもしれない」と期待する。

 同館では清水谷と、高田家・横山家の写真(プリントのみ)を展示中。月・木休館。なお、4月から休館に入り、当面は特定期間のみの開館となる(詳細は未定)。問い合わせは同館(TEL0138・26・0111)へ。

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 横山松三郎(1838〜84年) 択捉島生まれ。子供のころに育った箱館で、外国船の乗組員が写真撮影しているのに興味を持ち、写真術を習得。東京・上野池之端で写真館「通天樓」を開き、国の重要文化財に指定された旧江戸城などの写真を撮影した。

提供 - 函館新聞社


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