高齢者住宅が建設ラッシュ
update 2013/3/10 10:33
高齢者向けの住まいの一つ、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の建設が函館市内でも相次ぎ、競争が激化している。高齢者人口の増加に伴い、成長が見込める分野として事業の拡大や新規参入があり、市内だけで22棟660室の整備(完成予定も含む)が進んでいる。
サ高住は、入居者の安否確認と生活相談が義務付けられたバリアフリー構造の賃貸住宅。市住宅課は「ほとんどが食事付きで、市内では家賃や管理費、3食付きで10万〜12万円程度が多い」という。ヘルパーステーションやデイサービスなどを併設した所が多く、介護が必要になれば別料金で介護サービスの提供を受けることができる。入居は原則60歳以上。
函館市本町8のアメニティーライフ(柏葉昌宏社長)は、昭和4に3階建て28室のサ高住を建設中。1階は別会社が運営する要介護者の短期入所施設(ショートステイ)で、付加価値を高める。柏葉社長は「基本的に自立した高齢者が対象。単身者、夫婦、移住者などに充実したシルバーライフを送ってもらいたい」と語る。4月末の完成予定。
北斗市東浜2のティー・エス(佐藤達夫社長)は、函館市桔梗2に3階建て36室を整備中。併設のデイサービス、提携先のヘルパーステーションや医療機関と連携することで「利用者が自宅にいる感覚でみとりまでお世話したい」と佐藤社長。北斗市で運営する1棟目のサ高住の待機者がいることから事業を拡大し、「競争が激化しているからこそ、実績のあるわが社が」と自信を見せる。4月末の完成予定。
木材・流通大手の函館市港町3、テーオー小笠原(小笠原康正社長)は、北浜町5に3階建て60室、デイサービス、ショートステイ、ヘルパーステーションを併設、隣接したサ高住を4月に着工する。「福祉施設の待機者が多く、こうした施設のニーズが高まっている。地域貢献も兼ねて、事業を拡大した」と村田憲部長は説明する。9月の完成予定。
サ高住は国土交通省と厚生労働省が所管し、建設費の1割が補助され、税制上の優遇もある。今後、団塊世代が65歳を迎え、要介護者も増加することが予想され、建設ラッシュが続いている。市内の建設業者は「公共工事が減少し、数少ない大型の民間工事として期待が大きい」と話し、地域経済を下支えしている側面もある。
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