ニシン復活へ光明…江差で産卵藻場調査

update 2013/3/5 10:16


 【江差】桧山沿岸で資源回復の兆しが見られるニシンについて、江差かもめ島付近で4日、産卵藻場調査が行われた。専門家がニシンの産卵に理想的な海であることを確認し、海藻に付着した受精卵と思われる個体が5つ見つかった。形態からニシンの可能性は低いが、関係者は「産卵活動が行われている証拠。稚魚放流など、ニシンを育てる事業に大きな弾みがつく」としている。

 管内各町と桧山振興局、ひやま漁協などでつくる「ひやま地域ニシン復興対策協議会」(会長・工藤昇上ノ国町長)が主体となって実施。ニシン復活は桧山の悲願であり、同協議会は2011年2月の発足以降、ふ化放流試験や資源調査などを重ねてきた。09年度から桧山振興局が取り組んできた事業を含めると、本年度までに稚魚を約23万匹放流している。

 調査は25人体制で実施。2日の強い低気圧でしけたため、砂浜には大量の海藻が流れ着き、それをメンバーは慎重に手探りで調べた。かもめ島の砂浜では、モク類の海藻に白く半透明の受精卵が見つかった。また、大ぶりの卵もあり、「大きいのはハタハタの卵。ほかの小さな受精卵についてはどの魚種かは不明だが、色合いから産卵間もないものだと思う」(同協議会)という。

 桧山南部地区水産技術普及指導所の宮本正夫所長は「ひと目でニシンと分かる卵は見つからなかったが、普段は海辺に流れ着く海藻に魚卵があることを理解した地元の漁協関係者が『またやりましょう』と熱意を持ってくれたのが大きな成果であり、次につながる」としている。今回見つかった受精卵は道総研中央水試(後志管内余市町)で詳しく調べる。

 同協議会は今後、近海でニシンのまとまった水揚げが確認され次第、同様の調査を展開し、ニシンの受精卵を発見したい考え。桧山沿岸では今年、江差と上ノ国で13匹から多い日では200匹の水揚げがあり、サイズは平均30センチ前後、重さ250〜300グラムと立派な魚体だ。

提供 - 函館新聞社


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