桧山のニシン復活へ期待、産卵の可能性、本格調査へ

update 2013/2/21 10:10


 【江差、上ノ国】江差と上ノ国の両町で、かつて地域の繁栄を支えたニシンがまとまって水揚げされ始めている。熟した卵を有する魚体が多く、一帯で産卵活動が行われている可能性が高い。3月4日には、江差かもめ島付近で産卵藻場の本格調査が行われることが決まった。関係者は「産卵が確認されれば、桧山のニシン漁の復活に大きな弾みがつく」と期待している。

 調査は管内各町と桧山振興局、ひやま漁協などでつくる「ひやま地域ニシン復興対策協議会」(会長・工藤昇上ノ国町長)が主体に実施。潜水士らが海藻などへの付着を確認するほか、写真・ビデオでも記録、海岸に流れ着いた海藻への付着状況も調べる。

 同協議会は今季から専用の刺し網で資源状況を把握。13日には江差で62匹、上ノ国で13匹、14日には上ノ国で200匹の水揚げがあった。サイズは平均で30センチ前後、重さは250〜300グラムで「立派なニシンで今にも産卵しそうなものばかり」(同協議会)という。

 近海では例年、わずかながらもニシンの水揚げはあるが、大群の産卵で海面が白く濁る「群来(くき)」は途絶えて久しく、最後に確認されたのは1913年ごろとされている。

 ニシンの復活は桧山地域の悲願であり、同協議会は2011年2月に発足以降、ふ化放流試験や資源調査などを重ね、09年度から桧山振興局が独自に取り組んできた事業を含めると、本年度までに稚魚を約23万匹放流してきた。事業費は年間約200万円で、道の補助を受けながら関係機関で連携し、「この藻場調査で産卵が見つかれば事業への理解は一層深まる」と関係者。

 今季水揚げされた魚体は専門機関でDNA検査をし、桧山産かを見極める。桧山南部地区水産技術普及指導所によると新年度内には判明する見込み。

 工藤会長は「放流した稚魚が桧山に戻って来ているのかは現時点で不明だが、『まかぬ種は生えぬ』という言葉があるように漁業関係者が努力している。希望を持ち、3月の調査結果を楽しみにしている」と意欲を見せている。

提供 - 函館新聞社


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