世界遺産登録へ地域の理解大事
update 2013/2/18 10:12
「北海道・北東北を中心とした縄文遺跡群」の世界遺産登録に向けた方向性を探る講演会(函館市縄文文化交流センターなど主催)が17日、同センターで開かれた。参加した約60人の市民に、日本ユネスコ協会連盟元事務局長の吉岡淳さんが世界遺産を活用したまちづくりについて語った。
吉岡さんは世界遺産登録後に想定される地域の変化を紹介。外国人を含め観光客が急増するメリットのほか、「観光客目当ての土産店が周辺の美観を損ねたり、観光バスやタクシーの排気ガスで大気汚染を招く恐れがある」などと注意を促した。
まちづくりの例として、2007年登録の石見銀山遺跡(島根)では、地元住民が務めるボランティアガイドが積極的に養成されているほか、地元企業が収益を遺跡保全に活用している点を報告。「住民による町並みの保全活動は戦後から行われており、地域の意識は高い」と話した。
また登録への理解を行政と民間で一致させる重要性を説明。「熊野古道(和歌山)では、登録によって周辺バッファーゾーン内の山林業者が木の伐採をできなくなり、木にペンキで『世界遺産反対』と書いた問題も起こっている」と話した。
その上で参加者に「活用するためには地域全体でいかに遺跡を理解し、保全について考えるかが大事」と投げ掛けていた。
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