黒大豆新品種「つぶらくろ」栽培へ
update 2013/2/15 12:01
黒大豆の新品種「つぶらくろ」が今年産から、道南の一般圃(ほ)で栽培される。黒豆で初めて「ダイズシストセンチュウ」抵抗性を持つのが特長で、道総研道南農試(北斗市)は「道南でのメーンの黒大豆として育ってくれれば」と期待を寄せる。
中央農試(空知管内長沼町)と道南農試が共同開発した。道などによると、今年産の作付面積は確定していない。種子増殖に時間を要するため、まとまった面積での栽培は2014年産以降になる見通し。
道南では、古くから「晩生光黒(ばんせいひかりくろ)」栽培が盛んだが、倒伏に弱くて収量が低いことや、晩生種で収穫時期が遅いため高値が付きにくいことが欠点。そこで、中生種「いわいくろ」に作付けがシフトしたが、根に寄生するセンチュウに弱く収量が減り、粒が小さくなる問題があった。
つぶらくろはセンチュウ抵抗性が強い上、同農試の試験栽培の結果(2009〜11年の平均)では、10アール当たり収量が392キロとなり、いわいくろ(367キロ)、晩生光黒(308キロ)より多かった。百粒当たりの重量も56cで、いわいくろ(51グラム)、晩生光黒(55グラム)を上回った。
成熟期はいわいくろより4日遅く、晩生光黒より6日早い。煮豆加工に適しており、味や作りやすさ、見た目など評価はいわいくろと同程度か高かったという。
同農試によると、道南での10年の作付面積は晩生光黒が185ヘクタール、いわいくろが267ヘクタール。厚沢部町や今金町など桧山管内が主産地。今後、センチュウ問題がある圃場はいわいくろ、晩生光黒に替えて作付け。問題がない場合でも、晩生光黒は全て置き換える構想がある。
道南農試は「大規模に栽培する道内の圃場では、土壌病害の防除に膨大なコストがかかる。センチュウ対策としては、抵抗性品種を植えるのが安くて効果も高い」としている。
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