イカが30メートル飛行=@北大院生ら論文発表
update 2013/2/9 11:40
イカが海中からジャンプして着水するまでを連続撮影した写真を解析した結果、意図的に形態や姿勢を変化させながら飛行≠キることを、北大大学院水産科学院の村松康太さん(24)=修士2年=らの研究グループが突き止めた。村松さんは「捕食者から逃げるために進化した行動と考えられる」と話している。
村松さんや、同大北方生物圏フィールド科学センターの山本潤助教ら6人が論文にまとめ、ドイツの海洋生物学の国際学術誌「マリンバイオロジー」電子版(5日付)に掲載された。
2011年7月、同大練習船「おしょろ丸」が東京の東方沖約600キロを航海中、村松さんが海中から飛び出す約100匹のイカの群れを2回目撃、カメラに収めた。全長約20センチのアカイカかトビイカとみられ、飛行行動が「飛び出し」「噴射」「滑空」「着水」の4段階に分類できることが分かった。
村松さんによると、ヒレを外套膜(胴体)に巻き付けて腕も畳んで水の抵抗を受けにくくして飛び出す。水を漏斗(墨をはく口)から噴射し続け空中でも加速し、ヒレや腕、保護膜も広げすき間をなくして翼に似た形に。航空機のように先端をやや上向きにしてバランスを取って滑空。着水時はヒレを外套膜に巻き付け腕を畳み、先端をやや下げて抵抗をなくしていた。
水面から2、3メートルを、少なくとも3秒以上、約30メートル移動したと推測される。時速は約40キロという。村松さんは「イカは水中だけでなく、海鳥など空中にいる生物にもエネルギーを受け渡す役割を担っているのでは」と話す。遊泳能力が高いイカが飛行行動をするとみられ、スルメイカも飛ぶ可能性があるとしている。
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