歴風文化賞に5件
update 2013/2/7 10:10
函館の歴史的風土を守る会(歴風会、佐々木馨会長)は6日、2012年度の「歴風文化賞」を発表した。歴史的な建造物の貴重性、持ち主の保存に対する努力や景観へ寄与した個人などをたたえるもので、本年度は保存建築物として「北斗ビル」(函館市末広町17)「飯島商店」(同若松町31)、「太平洋セメント上磯工場クラブ」(北斗市谷好1)、「落合治彦邸」(同中央2)、原風景に「函館の夜景」の計5件を選んだ。表彰式は15日午後6時半から五島軒(末広町)で開かれる。
北斗ビルは1921(大正10)年建築の、鉄筋コンクリート造4階建て。外観や間取りなどで創建当時の姿を残しており、「大正末期の商業建築の歴史を知る上で貴重」と評価した。
飯島商店は木造2階建ての建物を、昭和10年台に菓子問屋の店舗・事務所として改築。関東大震災以降に東京で建てられた「商店建築」がルーツで、正面の屋号や看板が当時のまま残っている。
セメント工場内にある「クラブ」は1919(大正8)年建築の洋風保養施設。玄関前の4本の角柱や屋根飾りなどに創建当時の面影が残っており、大正期の保養施設が道南では珍しいとして評価された。
1934(昭和9)年建築の落合邸は、木造2階建ての和洋折衷様式が特徴。柱がすべてヒノキで、秋田スギやケヤキの一枚板が随所に使われており、図面や見積書など克明な建築工事の記録も残っている。
また同会は、原風景に選んだ夜景を「世界一」と宣言。色とりどりの明かりがきらめく様子や、市街地の光と海とのコントラストを評価している。
歴風文化賞は1983年度から始まり、本年度で30回目。函館や近郊の歴史ある建造物などを後世に残そうと、毎年表彰している。
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