生活保護費引き下げ 受給者ら不安の声

update 2013/2/5 10:10


 国の2013年度予算案に生活保護の支給水準の引き下げが盛り込まれた。1000人当たりの保護者数が47(昨年11月末現在)と全国中核市41市中で最も高い函館市の受給者や専門家からは、不安や批判の声が上がっている。

 「今でさえぎりぎりの生活なのに、これ以上保護費を下げられると生活が成りたたなくなる」。母子家庭で、小学生の子ども2人を育てる市内の女性(42)はため息をついた。

 4年前から生活保護を受け、市営住宅で3人暮らし。夏は月約13万円、冬は15万円ほど保護費をもらっている。長女は習字、長男は野球クラブに所属している。「習い事は子どもが続けたいと言っているからやらせたい。でも保護費が減ると余裕がなくなるので食費を削るしかなく、満足に食べさせてあげられるか心配」と漏らす。

 支給額を減らすのは食費や光熱費といった生活費にあたる「生活扶助費」。今年8月から減額し、3年かけて段階的に引き下げる。

 減額幅は世帯構成によって異なり、厚労省の試算では例として都市部に住む40代夫婦と子ども2人(小学生と中学生)の4人家族は8月に約7000円、15年度以降は2万円程度の減額となるなど、子育て世帯の負担が特に大きい。

 市生活支援第1課は「国が示した各世帯の減額率は函館市でもある程度共通してくる」と話す。

 市の同現在の保護者数は1万3041人で、保護世帯数は9424。年々増えており、市の本年度の生活保護費(当初予算)は約213億円。最近2年間で20億円増えた。同課は「引き下げで財政負担は一定程度軽減される」と話す。

 一方、支給水準の引き下げは受給者以外の低所得者にも影響が出る恐れがある。生活保護制度に詳しい函館市の湯浅弥社会福祉士は「就学援助など低所得者を支援する制度は生活保護の基準額が大きく関係している。何らかの対策を取らなければ、貧困世帯がますます増えてしまう」と指摘している。

提供 - 函館新聞社


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