厚沢部の「円通寺」が函館支院建設へ
update 2013/1/29 09:48
【厚沢部】厚沢部町富栄の真宗大谷派「円通寺」(門間佳一住職)が、函館市赤川町502に納骨堂を併設した支院を建設する。地元檀家の減少・流出が進む中、将来の存続に危機感を持ち、新事業に動き出した。投資額は約4億円。道内でも珍しい石碑型納骨堂で、完成は6月を予定している。
27日の同寺通常総会で建設が正式決定した。
同寺は1776(安永5)年に建立、1880(明治13)年に現在地に再建された。93年の北海道南西沖地震で被災した本堂を建て替えるなど、幾多の困難を乗り越えてきた。
基幹産業である農業の衰退に伴い、町は少子高齢化や過疎といった問題に直面しており、同寺もその荒波の影響を受けている。
現在の檀家数は厚沢部、江差両町内を中心に230戸あり、全体数は徐々に増えているが、函館・近郊への流出が進み、「地元が減り、地元以外が増えている」と同寺。都市へ移住しても檀家をやめるわけではないが、中には距離の遠さから近くの寺院に移るケースもあるという。
長期的視点から存続に向けた対策を探ろうと、住職を中心とした同寺将来構想専門委員会(9人)が検討を重ね、支院の函館市内建設を打ち出した。
計画では、公立はこだて未来大近くで赤川通に面した土地約2000坪を購入、平屋建て延べ2338平方bを新築。約1000基分のスペースがある納骨堂「五稜の郷(さと)」のほか、本堂や多目的ホールなども整備し、葬儀や法要も可能。別会社が納骨堂の永代使用権(価格は未定)を販売する。
新施設は同じ宗派の寺の協力を得て運営。近いうちに僧侶も置く計画だ。
新事業について渡島・桧山管内にある大谷派の約50か寺から承認を得ており、他寺の門徒でも納骨堂を求めることができる。
門間住職(57)は「これだけ続いてきた寺を、何とか次の世代に伝えていきたい。大谷派の御縁をいただいた方々が減少する問題を解決できる施設として歩みたい」と話している。
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