海外販路拡大へPR強化…フード特区認定1年
update 2013/1/27 10:21
北海道フード・コンプレックス国際戦略総合特区(フード特区)が認定を受けてから1年余りが経過した。これまでに国との協議を終えた事項や税制優遇などの措置を受けたのは、大半が十勝地方関連で、函館では1件にとどまっている。函館エリアは同特区で水産研究の拠点として位置づけられていることから、市などは地元企業に対し、東アジアや東南アジアをターゲットにした販路拡大の取り組みを促していく考えだ。
国際戦略総合特区は、国の経済成長をけん引していく産業、機能の集積拠点の形成が目的。特区全体で、2012年から16年までの売り上げ増加目標を1300億円に設定している。
フード特区は11年12月に指定を受け、東アジアの食産業の研究開発や輸出拠点化を目指す。函館、十勝、札幌・江別の3地域を中心に、農産・水産品や加工品の高付加価値化に取り組む。函館市は「水産物由来の有用性素材研究拠点」として位置づけられ、水産資源の持続的供給や機能性物質の研究開発、製品化に取り組む研究の集積拠点とする。
特区認定を受けたエリアで受けられる優遇措置として、金融上や税制上の優遇措置や規制の特例措置、それに機能性表示の見直しがある。
市経済部によると、市内では菓子製造・販売の昭和製菓(西桔梗町)が、銀行から融資を受ける返済金利の負担軽減が適用される認定を国から受けているが、水産物に関わって同特区での優遇措置を受ける企業・団体は現段階で出ていない。
市は「地域資源として、水産物や水産加工品にいかにして付加価値を付けていくかが課題」(経済企画課)とみる。昨年12月には函館商工会議所や函館水産連合協議会などが実行委員会を組織、同特区に関する勉強会を立ち上げており、2月に行う会合では海外販路拡大への取り組みについて理解を深めていく考え。
同課は「シンガポールや香港、台湾、タイなどをターゲットに特産品の販路拡大への一歩を踏み出してもらえれば」と話している。
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