函館産酒米で焼酎、カネス杉澤事業所が販売

update 2013/1/25 10:07


 建設業のカネス杉澤事業所(函館市西桔梗町、杉澤光雄社長)は、函館産の酒米を使った初めての焼酎「北の星」の販売に乗り出している。市内ではこれまで地酒がなかったため新たな名物を作ろうと構想し、市内で限定発売している。同社は「プレミアム感あふれる商品に仕上がった。さわやかな味わいを楽しんで」と話している。

 米焼酎は、市が休耕田対策として2010年にNPO法人「亀尾年輪の会」に生産委託した酒米「吟風」(ぎんぷう)を用いた一品。吟風の加工先として同社が名乗りを上げて酒類販売の免許を取得、グループ企業「天海」が商品開発を手掛けた。酒米約2dを買い取って札幌酒精工業厚沢部工場に製造を委託、約2400本造った。

 当初は日本酒も検討したが、市内に酒蔵がなく、道内産の米焼酎が珍しいこともあって、焼酎に決定。「道産米のブランド力が上がっており、他地域や既成品との差別化を図った」(同社)とする。

 3年がかりで生まれた「北の蔵」は米麹(こうじ)だけで造った「全麹仕込み」が特長。函館の北緯にちなみ、アルコール度数をウイスキー並みの41度と高く仕上げており「高い度数の割にフルーティーに仕上がった。好きな人はロックで、香りを楽しみたい人は湯割りがお薦め」。布製のラベルは取り外すとコースターとして使え、観光客が函館訪問の記念にしてほしいとの願いを込めた。

 720ミリリットル入りで3500円。昨年末から函館空港、函館山ロープウェイの売店、はこだて海鮮市場(豊川町)と同社で販売している。

 昨年は別の生産者に作付を依頼して約8万dを収穫しており、来年以降は毎年1万本ペースで製造販売していく方針。問い合わせは同社TEL0138・86・5573。

提供 - 函館新聞社


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