函館産水産加工品 道内学校給食へ導入目指せ 市が取り組み本格化

update 2013/1/22 10:18


 函館市は、地元で採れた水産加工品を道内各地の学校給食に納入する試みを始めた。本年度に市立小中学校の給食で提供した秋サケとコンブを道内の自治体で取り入れてもらうことで製造量の増加や販路拡大を図り、地元水産加工業の活性化につなげる狙い。市は昨年、自治体では初めて道学校給食会(札幌)に加工品を売り込んだり、栄養士と加工場の連携を図るなどして取り組みを強めている。

 市は本年度、390万円をかけて函館産の秋サケとコンブを食材に取り入れた給食を、市立小中学校で実施。1日あたり約2万食作り、昨年11、12月に計2度提供した。

 ただ、地場産水産加工品の提供はコストの高さが課題。学校給食は児童・生徒からの給食費で食材を調達し、栄養士が献立を作成しているが、食材費は1食あたり約237円(小学2〜5年生)と安価。加えて給食調理場では調理方法にも制限があり、加工品を使用しているのが現状。市農林水産部は「製造ロットが小さいため、給食費だけでは不足している」と話す。

 これらを受けて市は昨年、サイコロ状にカットした約10cのサケの冷凍切り身と、食べやすいサイズの間引きマコンブを、2度にわたって道学校給食会に提案。先週末には栄養士らが水産、青果市場とJA函館市亀田を訪れて食品流通の過程を見学したり、水産加工場とマッチングさせる取り組みを始めている。

 軌道に乗れば、高い技術を持つ地元加工業者の活性化や雇用確保につなげることができるが、現状では価格帯や、需要がどの程度見込めるかが課題。同部は「全道、全国で使ってもらえれば製造ロットが大きくなり、加工コストが下がることで税金を投入せずに給食に使える。先を見据えてチャレンジしていきたい」と意欲を示している。

 道学校給食会の諌山和義事務局長は「現在は製品化を待っており、市とも相談しながら全道の市町村に紹介したい。旭川や帯広など、海に面していない地域で販路拡大の余地がある」と話している。

提供 - 函館新聞社


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