調理実習 先生奮闘
update 2013/1/21 10:28
中学校の「技術・家庭科」で選択科目だった「地域の食材を生かした調理、地域の食文化」が昨年4月から必修になり、約8カ月が経過した。調理を通して地域の食文化を学ぶのが狙いだが、授業時間数が少ない現状に加え、専門外の教諭が家庭科を担当するケースも多く、教育現場では研修会を開くなどの取り組みが広がっている。
函館桐花中学校で今月開かれた研修会(道南地区技術・家庭教育研究協議会主催)には、道南の中学校教諭14人が集まり、イカ飯のつくり方を学んだ。イカの胴の中に指を入れ、足とワタを引く下処理から行い、調理時間は約1時間半。参加した男性教諭は「料理する機会が少ないので難しい」と話していた。
学校関係者によると、道南をはじめ道全体の中学家庭科では、所有する免許以外の「免許外教員」に担当させるケースが多い。少子化で学校の規模が縮小し、「以前に比べ技術・家庭の授業数も減り、専門教諭を増やすのは難しい」(関係者)という。
こうした背景を受け、同協議会では4、5年前から免許外教員に研修会への参加を積極的に呼び掛け始めた。夏は技術、冬は家庭科を主に実施。授業のポイントや学習指導の方法などについて意見交換している。
4月から必修になった科目「地域の―」で、函館的場中学校の小田桐智教諭は実際に研修会で学んだ北海道の郷土料理「いももち」を授業に取り入れた。生徒にも好評を得たといい、小田桐教諭は「研修会などで横のつながりを深め、互いに連携していかなければ」と話す。
ただ、調理実習では指導方法の他、材料の調達も必要。市内の男性教諭は「専門外だと事前準備の段階でも一苦労。実際に料理を教えるとなれば料理の腕を磨かなければ」と不安を語る。
本年度から技術・家庭科の学習指導要領には「幼児との触れ合い」「布を用いた物の制作」などの科目も必修になった。教科書には和装の知識や着装に関する専門的な項目も掲載されており、教育現場では外部講師の活用を検討する動きもある。
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