健康・安産祈願おっぱい祭り 雷公神社
update 2013/1/19 10:43
【知内】町元町の雷公神社(大野格宮司)に古くから伝わる、女性だけの祭り「十七夜講」が17日に開かれた。別名「おっぱい祭り」とも呼ばれる由縁ともなっている乳房を模した餅「しとぎ」を神前に供え、神事を執り行い今年1年の家内安全や安産祈願をした。
町内にある神木「姥杉」は同神社の初代神主の妻がまつられており、江戸時代に乳の出が悪かった女性が、木にある2つのこぶに母乳に恵まれるようにと願掛けをしたことが由来。昭和初期には遠方からも女性たちが参拝に訪れ、にぎわったという。
この日は氏子の女性たちが午前中から米粉を使って高さ約10aの「しとぎ」を二つ作り、神前に供えた。午後からは社殿で女性約30人も参加し祭りが始まった。大野宮司が祝詞を奏上し、一人一人の名前を読み上げた。女性は玉串をささげ、それぞれの願いを祈った。
供えられたしとぎは氏子たちの手で崩され、お神酒と混ぜ合わせ、参拝した女性に配られた。胆振管内白老町から引っ越してきた濱田君代さんは「友達に聞いて初めて参加してみたが、気持ちがすーっと楽になった気がする。来年もまた来てみたい」と笑顔だった。
大野宮司によると、昭和30年代までは家事や子どもの世話を離れ、夜通し女性だけで歌や踊り、おしゃべりに興じて日ごろの疲れを癒やしていたという。大野宮司は「祭りの形態は変わってきたが、今でも町を離れた人から祈願の要望を多く受ける。伝統を守っていきたい」と話していた。
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