渡島管内08年度以降、体罰教員処分9件
update 2013/1/18 09:37
大阪市の市立高校男子生徒が部活動の顧問から体罰を受け自殺した問題は、渡島管内の教育現場にも波紋を広げている。渡島教育局によると、函館市を含む管内の公立小中高で、部活動中を含む体罰での処分件数は2008年度以降で9件明らかになっており、学校関係者は「どんな指導が望ましいかを再確認し、モラルを徹底する」と話している。
同教育局によると、過去5年間の体罰による教員の処分件数は、2件(08年度)、1件(09年度)、2件(10年度)、1件(11年度)で推移。しかし本年度は今月17日現在で前年比2件増の3件。部活動中のケースに限ると、競技は明らかにしていないが、09、10、12年にそれぞれ1件処分している。
具体的には、09年度は管内の中学校の30代男性教員が部活動の大会で部員を引率し、ユニホームを忘れた男子生徒の耳を拳で殴った。10年度は、北斗市内の中学校の40代男性教員が女子部員にいたずらをする男子生徒ら3人に平手打ち。本年度は、同市内の中学校の50代男性教員が、部活動のミーティングで生徒4人の頬を平手で1回ずつたたいた。教員3人はいずれも減給処分を受けている。
こうした一連の問題を受け、道教委は昨年11月、道内の全小中高に過去の処分事例などを記した不祥事防止啓発資料を配布。今月16日には、道内の全市町村教委に対し、体罰防止を求める通知を出すなど、指導体制確立の徹底を求めた。
渡島教育局は「体罰防止は教職員研修会などあらゆる機会に注意喚起してきた。今後も指導を徹底していく」としている。
道南で長くバスケットボールの指導に携わってきたある学校長は、今回の問題について「指導が熱心になるほど厳しさが増すことはあるかもしれない。しかし、勝利目的の体罰が許されていいはずがない」と指摘。子どもと指導者、保護者が競技を通じてどう信頼関係を築くかが大切と語る。
市内のある高校の管理職は「全教職員間で体罰問題の事態を重く受け止めている。プロの指導者として責任と自覚を新たにし、体罰によらない指導の徹底を再確認した」と話し、一層の注意喚起を促す考えだ。
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