青函連絡船の運航 ダイヤをデータ化 摩周丸で閲覧
update 2013/1/6 10:44
函館市青函連絡船記念館摩周丸(若松町12)を運営するNPO法人語りつぐ青函連絡船の会(木村一郎理事長)は、摩周丸で保存していた青函連絡船の運航実績表(確定した運航ダイヤを示す図表)をデジタルデータ化し、「青函連絡船71万8239航路の記録」と称して、館内のパソコンで閲覧できるようにしている。同法人の高橋摂事務局長(58)は「歴史資料として価値ある」と話している。
同館には1948(昭和23)年度から、終航の88年3月までの運航実績表(B3判)約1万3000枚が保存されている。紙が損傷する恐れがあり閲覧はできないため、データ化に取り組んだ。本年度、日本財団からの助成を受けて大型のスキャナーを購入し、パソコンへの入力作業を進めている。現在は1981年以降が閲覧可能。
容易な操作で、細かい線や文字を詳細に見てもらえるよう、さまざまな工夫を凝らした閲覧ソフトまで独自で作った。パソコンでは、年月日をタッチすると、その日の図表が表示される。各便の出発や到着時刻、どの船が使われたかなどが分かる。
遅延した理由に、列車の待ち合わせを示す「レマ」と書かれるなど、「北の大地と本州を結ぶ生命線だったことが分かる」と高橋さん。各日の気象状況も記されており、高速近代船が導入された昭和40年代からは、海上の風速が風速20〜25bで、しけ模様であっても「計画運行を確保した」と一日をまとめている。同年代ごろからは、実績表なのに始めからダイヤが印刷されており、遅延など修正を示す線はほとんど書かれていない。船、人とも技術の高さ、安全、安心の航海だったことが伺える。
専門的な資料だが、高橋さんは「修学旅行など思い出の旅行で乗った船名を振り返れるほか、運航の史実が調べられる。利用用途を考えていきたい」と話している。当面は閲覧のみの利用としている。
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