函水高、商船学校の校歌再現へ情報募集
update 2012/12/4 09:58
館水産高校(三ッ石茂之校長、生徒474人)が、同校の前身函館商船学校(1879〜1935年)の校歌を再現する試みを進めている。同校が探し当てたのは楽譜の前半のみ。残る後半部分を所有またはメロディーを知っている人から情報を募っており、同校は「歴史を知ることで、当時の船員気質を呼び起こすきっかけにもなれば」と期待を込める。
函館在住の田村和子さんが、父・紺野孝造さん(故人)の手掛けたアルバム「北海道庁函館商船学校第31回卒業記念写真帖(ちょう)」を市中央図書館に寄贈。その中から、校歌全3番の歌詞と楽譜を見つけ出した。作曲は武蔵野音楽学校(現武蔵野音大)を設立した福井直秋で、作詞者は不明。校歌を再現しようと、函館在住の作曲家、作道幸枝さんにピアノ演奏を依頼したところ、楽譜が半分しかないことが判明した。
函館商船学校を含む全国に11あった公立商船学校は、世界不況の余波で廃校となった。その後、11校出身者で設立した「全日本船舶職員協会」が船員の生活や技量の向上、海事思想の普及に尽力してきた。
函水高には、明治時代の教科書(英語の原書)が残されており、函館商船学校の操帆訓練教材として造られ、横浜に展示されている帆船模型「北光丸」に往時をほうふつとさせる航海旗や日章旗を掲げるなど、歴史の一端を再現してきた。我妻雅夫教諭は「商船学校の歴史を掘り起こしていくのが、函水高の使命」と強調する。
船乗りには、船と心身を共にし安全・確実に運航する義務があるという。三ッ石校長は「船員のアイデンティティーを保つために当時の校歌を旗印にしたい」と話す。
また、音楽の授業や吹奏楽部での演奏など、多様な教育を展開できるメリットがある。校歌を完全に再現できれば、「CDに録音し、商船学校卒業生の身内の方や全日本船舶職員協会に届けたい」と同校。情報提供は我妻教諭電話0138・49・2412へ。
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