スルメイカ漁 11月も不振
update 2012/12/11 10:15
道南スルメイカ漁が11月も不振となり、今季の漁期(6月〜来年1月)トータルの漁獲量が例年並みを確保するのは厳しい情勢だ。函館市水産物地方卸売市場(豊川町)での取扱量は、前年同期比64%減の373トンと低迷。10月に続き2カ月続けて過去10年で最低となった。トータル漁獲量が伸びずに漁期が終了する可能性が強まっている。
市農林水産部によると、11月の取扱量は過去10年で最も少なかった2006年度の380トンを下回った。品薄感から1キロ当たり平均価格は326円と、06年度(同340円)以来の300円台に達した。
函館市漁協(橘忠克組合長)は「こんなにしけが多い年はめったにない」と嘆く。今月も、道南に暴風雪をもたらした6日の低気圧の影響が残るなど、悪天候が続いている。「イカは組合の漁獲金額の4割近くを占めるので、漁獲が伸びないと打撃が大きい。しけが収まり、多く出漁して大量に水揚げされることを願うばかり」という。
はこだて自由市場(函館市新川町)のイカ専門店「富田鮮魚店」(富田貞雄社長)は「10月も11月も商売が成り立たない」とため息をつく。
水産市場での6〜11月の取扱量も同10%減の3684トンとなり、07年度以降では最少。漁期は来年1月前半にほぼ終了するため、このペースだと漁期トータルの漁獲量も不振だった11年度の4723トンを下回る可能性も。
道総研函館水試(湯川町)によると、11月の不振は高水温の影響などで道東からの南下群の来遊が遅れたためだ。澤村正幸研究主任は「南下群が津軽海峡に戻ってくるものの、来遊が例年になく遅れている上、水温の急激な低下により群れの通過が早まる。漁期後半のピークは来るが、短くなる可能性がある」と指摘。「漁期トータルでは例年並みの漁獲量確保は苦しいだろう」と話している。
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