男性ですが… 育休で子育て 森小教諭の横堀さん

update 2012/11/21 10:06


 森町森小学校教諭の横堀聡(あきら)さん(38)=函館市石川町=が、男性教諭としては珍しい育児休業を今春取得し、子育てに励んでいる。長男賢(けん)ちゃん(1歳10カ月)の面倒を見る日々に、「買い物やおむつ交換だとか全ての体験が新鮮。職場復帰後、この経験が何かに生きれば」と充実した毎日を送っている。

 「ほら、車が通ったよ」「ブブ、ブブブ」。横堀さんが交通量のある自宅付近を指差すと、賢ちゃんは目を輝かせてエンジン音を口まねする。横堀さんは「賢は車が大好き。泣きやまないとき外に連れて行くんですよ。車の音を聞くと落ち着いてくれるから」と目を細める。

 賢ちゃんが生まれたのは2010年12月23日。このころ、同じく小学校教員の妻(37)に「1年間この子の世話をしてみたら?」と言われ、育休取得を考え始めた横堀さん。翌年、学校に相談。今年2月に正式に申請し、4月から1年限定の新生活≠ェ始まった。

 自炊や洗濯など家事は苦手だったが、豚汁やギョーザといった手料理を徐々に覚えたほか、おむつ交換もためらわずにできるように。横堀さんは「子育て中の母親は大変だと思う。幼児2、3人を連れ歩く母親を見るたびにたくましいなあって心底感心する」。

 賢ちゃんをあやしながら教え子が目に浮かぶことも。「児童は皆こうして愛されて成長してきたんだなって。正直育休を取らなければ分からなかった世界です」と横堀さん。

 来年2月下旬には第2子が生まれる予定で、今度は妻が面倒を見る予定だ。横堀さんは「自分は来年度から職場に戻るけどお手伝いしたい」。育休生活については「校長はじめ職場の理解のおかげ。何かと役職が多い男性でも気軽に取得できる環境になれば」と願う。

 渡島教育局によると、管内の公立小中学校で本年度育休を取得している男性教員は横堀さんのみ。道教委の調査による2010年度の育休取得率実績は、女性83%に対し男性1%となっている。

提供 - 函館新聞社


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