三澤さんに若手農林水産研究者表彰

update 2012/11/20 10:11


 農林水産業に関する研究開発で優れた成果をあげた研究者(40歳未満)に贈られる本年度「若手農林水産研究者表彰」に、道総研道南農試(北斗市本町)の研究主任、三澤知央(ともお)さん(39)が選ばれた。道内からは過去に1人、今回三澤さんを含め2人が同時受賞しており、道総研からは初めて。野菜の多様な病害の発生原因を突き止め、有効な対策を打ち立てた成果が認められた。

 農水省と農林水産技術会議が主催。全国から23件の応募があり、5人が受賞した。受賞者決定に際して特に重視されるのが、学術的成果(論文)や、研究成果による社会への貢献だ。

 三澤さんは、同農試での勤務8年間で800点に上る野菜の生育異常を診断し、発生原因を解明。道内で発生記録のない50の新病害を発見した。また、イチゴ疫病、ネギ葉枯病、ニラ白斑葉枯病、サヤエンドウうどんこ病の4病害について防除法を開発。これらをインターネットのホームページ上で公開、写真を載せるなどして農家の病害診断に役立てている。

 論文は英文4本、和文35本の計39本を発表している。

 三澤さんは「自分の研究が認められたこと、そして植物病理学が農林水産分野の中で高い評価を受けたことがうれしい」と笑顔。「今後は病原菌の生態を明らかにすることで、より効率の良い防除ができるようにしたい」と抱負を話す。

 三澤さんは札幌市出身。北大農学部を卒業後、道病害虫防除所(空知管内長沼町)を経て2004年から現職。専門は植物病理で、ネギ葉枯病をテーマにした論文で博士(農学)を取得した。日本植物病理学会の本年度「学術奨励賞」も受賞しており、1年間で2度の快挙に同農試も喜びに沸いている。

提供 - 函館新聞社


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