函水試、養殖コンブ研究に着手へ
update 2012/11/18 10:29
道総研函館水試(湯川町)は来年度、養殖コンブに関する研究に乗り出す。昨年の道内コンブの大減産を受け、漁業者ニーズに応える。同水試が養殖コンブ研究を事業化するのは約30年ぶり。道南の現状把握と、問題発生時の連絡を円滑に行うためのネットワーク体制を構築し、安定生産を実現する。
同水試では1985年まで養殖コンブ研究に取り組んだ実績があるが、その後は生産技術が安定したため、事業化されなかった。ただ、養殖コンブに穴あき症被害が大規模発生した98年には、水産技術普及指導所や大学などと連携して解決に当たるなど、その都度対応してきた。
昨年の道内のコンブ漁獲量は1万5362トン(道漁連まとめ)と過去最低。産地別では、函館はほぼ平年並みの6152トンだったが、他の主産地は軒並み減産を強いられた。これを受け、道総研として対応する方針を決め、道内7カ所ある水試のうち函館、稚内、釧路で事業を始める。函館水試は「道南では、穴あき症などの問題が完全になくなったわけではなく、生産量の年変動も大きい。近年は海洋環境の変化も著しく、安定化のための技術開発が必要」と説明する。
「養殖コンブ生産安定化試験」で、4カ年計画。人員は増やさず、既存の研究者2人が担当。南かやべ、戸井両漁協管内の養殖施設で調査・モニタリングを行う予定だ。生育状況、海洋環境の条件、穴あきなどの問題の実態把握、情報ネットワーク構築の4点を研究の柱に据える。赤池章一研究主幹は「実態をきちんと把握した上で、問題点を明らかにし、将来に向けて対策を検討していきたい」と話す。
道によると、渡島管内のコンブ生産量(2010年)は養殖、天然合わせて6483トン、金額は74億3000万円。養殖は金額ベースで約65%を占め、渡島コンブ漁の主力となっている。
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