湯川海水浴場 来年度で廃止 ネット老朽化で

update 2012/11/8 10:26


 函館市教委は湯川海水浴場(函館市根崎町、市営熱帯植物園前浜)を、来年度限りで廃止する方向で検討を進めている。市が10月末に示した「行財政改革プラン」に盛り込まれており、ネットの老朽化に伴って毎年約4000万円の維持経費がかかっていることが理由。市教委は七重浜海水浴場(北斗市)へのシャトルバス運行など、代替施設への誘導策を模索している。

 湯川海水浴場は1995年に開設。国内初のネット式で、市内唯一の砂浜の海水浴場。縦75メートル、横110メートルの浮き玉ネットを張り、中央に約50メートルの浮き島を備える。本年度は7月21日〜8月19日の30日間開設し、延べ3万1367人が利用した。

 しかし、ネットは開設時から使用してきたため老朽化が進行。修繕しながら使ってきたが、耐久度調査の結果、最も傷みが激しい陸側のネットは2015年度までと診断されている。

 昨年度の事業仕分けでは「見直しが必要(廃止を含む)」と判定。外部委員は毎年度4000万円以上かかる経費を問題視し、「今後続けていける事業内容か疑問」「近隣の海水浴場への誘導や屋内プールの利用促進を図るべき」などの意見が出されている。

 来年度は夏場に開設するが、市教委は2014年度以降は七重浜海水浴場へのシャトルバス運行を検討するとともに、廃止初年度は水難事故防止のため、現場に警備員を配置する方針。また、入舟海水浴場は継続する。

 市教委スポーツ振興課は「シャトルバスを用意して、市民利用を少しでも多くカバーしたい」と話す。一方で毎年延べ3万人前後が利用しており、維持を求める声も予想されるだけに「パブリックコメントでの意見を注視し、全体のバランスを見ながら考えたい」としている。

提供 - 函館新聞社


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