函館公園でクローン桜苗$A樹
update 2012/11/2 09:51
函館公園(青柳町)で1日、同公園のサクラ(ソメイヨシノ)から取った接ぎ穂を利用して作られた苗木が植えられた。函館市、市住宅都市施設公社が2005年度から取り組んできた「桜後継樹育成調査研究事業」が実を結び、同公園では初めての“クローン桜苗”の植樹となった。同事業に携わった日本樹木医会の樹木医斎藤晶さん(78)は「先人から受け継いだ木を残し、桜の名所を後世に伝えられる」と感無量の表情を見せた。
市では函館公園、五稜郭公園など花見の名所のサクラが古木化していることで、同じ遺伝子を持つ後継樹の育成方法を確立することを同公社と相談。同公社が自主事業として、齋藤さんの指導を得て試験育成に取り組んできた。
開始から3年間、冬に各公園のソメイヨシノから接ぎ穂を採取し、春に延べ約80人の市民がボランティアが接ぎ木づくりを行った。ヤマザクラの台木に挿して、合計約350本を作った。ソメイヨシノは自然交配繁殖が難しく、強風や動物の被害もあったが、4年間で約半分が育った。
この日は市緑化推進課の松村由紀夫課長ら職員約10人が見守る中、樹高2b以上に育った苗木を、今上陛下御即位記念碑裏近くに2本植えた。松村課長は「後継樹がようやく里帰りしたことは喜ばしい」、齋藤さんは「新しい木を買って植えれば良いかもしれないが、先人から受け継いだ木の血のつながったものを残すことが大切」と話した。
同課は、市内の公園では現在、移植の予定は無いが、試験育苗の手法は継承していくとしている。
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