サメ特産化で一石二鳥、ひやま漁協が試験漁獲へ
update 2012/10/23 10:17
ひやま漁協(本所・乙部町)は今秋、地元では流通の少ないアブラツノザメの活用を図る試験漁獲に初めて取り組む。スケトウダラ漁を妨害する厄介者の駆除とともに、淡泊な白身がかまぼこなどの原料に重宝されていることから、新特産化の販路拡大も視野に力を入れる。
このサメは、秋から冬場にかけて近海に現れ、100〜150bの水深を好むため、「サメを警戒して肝心のスケトウダラが上がってこない。サメは水揚げしても捨てられるばかり」(漁業関係者)と懸念されていた。
同漁協が主体となって取り組み、予算約800万円を計上。このうち400万円を桧山振興局が地域づくり総合交付金として補助する。漁は10月15日から始まり、熊石、乙部、上ノ国で計4隻が操業するが、しけが続き、22日現在では上ノ国で2日間計600`の水揚げ。付加価値をつけるために皮をむいた状態の「棒ザメ」にすると200`ほどで、青森県の市場に出荷された。
同漁協によると、初出荷時は1`約300円で「正月にかけて高値で取引されることが多いので、水揚げに左右するが、これまで嫌われてきた魚が浜の活気づけとして見直される可能性もある」とし、「例年11月中旬から本格化するスケトウダラ漁前の代替漁としても期待したい」とする。
東北では、アブラツノザメのかば焼きやフライなどのご当地料理も。また、肝機能に効果があるとされるオルニチンなどを含み、健康食としても注目を浴びている。
桧山振興局も地元での活用策を探り、「白身そのものの味はほとんどないが、煮魚にするといい」(水産課)。山崎峰男局長は「魚群探知機でスケトウダラは確認されているが、サメを嫌って上がってこないと思われる。このサメの駆除が、新特産品化やスケトウダラ漁の盛り上げにつながり、桧山のにぎわいを生むことにもなれば」としている。
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