道新幹線高架橋問題 機構「設計ミス、確認怠る」

update 2012/10/21 10:57


 【北斗】北斗市開発で建設している北海道新幹線高架橋の橋桁の高さが不足していた問題で、鉄道・運輸機構は20日、北斗鉄道建設所で記者会見を開いた。北海道新幹線建設局の種田昇次長が「設計ミスとその後の設計、施工各段階で現場の確認作業を怠ったことが原因」と説明し、「機構側にも管理・監督責任がある」と陳謝した。道路を掘り下げる工事で対応するが、費用は業者に負担させる方針だ。

 工事ミスがあったのは北斗市と七飯町の境で、道道大野大中山線と交差する開発架道橋。道路から橋桁までの高さは、4・7メートル以上確保しなければならないが、実際は4・135メートルしかなく、約56センチ不足していた。

 問題の地点は、道路を管理する道が2007年度に補修工事を行い、路面が約60センチ上昇した。会見で同機構は「調査設計の業者には伝えたが、補修前の高さのまま設計した」とミスの発端を説明。さらに、「次の実施設計、施工の各ステップで業者が現地の道路の高さを照合、確認しなかったことで発見が遅れた」とした。

 設計、施工には、新幹線工事に実績のある4業者が関わっており、同機構によると、いずれの業者もミスを認め、掘り下げ工事の費用負担に応じる意向を示しているという。金額は未定で、業者間の割合は今後協議する。同機構は管理・監督責任を認めたが契約上、費用は負担しない。

 会見で種田次長は「地元住民をはじめ、多くの方に迷惑をかけることになり、申し訳ない」と陳謝。同機構では関係者の処分を検討しており、「再発防止策を早急にまとめたい」と述べた。

 19日夜に付近の住民を対象にした説明会を開き、掘り下げ工事について方針を説明。理解を得られたことから、来年春に着工する予定。工事は高架橋を中心に160メートルの範囲で行う。

提供 - 函館新聞社


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