昭和の教訓を証言交え語る

update 2012/10/21 10:57


 「昭和史を語り継ぐ会」を主宰するノンフィクション作家の保阪正康さん(72)による講演会(同会主催)が20日、サン・リフレ函館で開かれた。約50人を前に「歴史としての昭和」と題して熱く語った。

 保阪さんは1939年札幌出身。作家・評論家として活躍し、全国各地で講演会、市民講座を開いている。函館での講演は10年ぶり2度目の開催。

 「昭和史の中に戦争や貧困など人類が体験した全てがあり、昭和には多くの教訓がつまっている」とし、昭和を前期(戦前、戦中)、中期(占領下)、後期(独立後)の3つに区分して説明。それぞれの時期を代表する首相の名前を挙げながら、相違点や共通点、アメリカやソ連など他国との関係性などについて話した。「日本は降伏を決めた後、全国の市町村や軍事組織に戦争に関する記録、資料を焼却する通達を出した。何を考えていたのか」と声を荒げ、以前出会った老人との話を紹介した。

 「彼は整備兵として、泣きだしたり、失神する特攻隊員を飛行機に担いで乗せていた。特攻隊員が勇敢に死んだのはうそだと教えてくれた」とし、昭和史の記録のあいまいさを指摘。「つらい事実でも歴史を語り継ぐための資料を次世代の人に残さなければいけない。それが私たちの責務なのでは」と話した。

 また元函館市史編さん室長の紺野哲也さんと郷土史研究家の細見一夫さんによる講演も開かれた。

提供 - 函館新聞社


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