国に「凍結」要請書 大間原発で工藤市長ら
update 2012/10/16 10:21
【東京】電源開発(東京)が大間原発(青森県大間町)の建設工事を再開したことを受け、函館市の工藤寿樹市長ら道南の自治体の首長らが15日、政府や同社を訪れ、工事の無期限凍結を求める要請書を手渡した。要請先では十分な回答は得られなかったが、事故が起きた際の道南への影響の大きさを強調し、道南一丸で抗議の姿勢を明確にした。
大間原発をめぐる国や事業者への要請活動は今年1月以来3回目で、工事再開後初めて。今回は工藤市長のほか、高谷寿峰北斗市長、中宮安一七飯町長、石山英雄松前町長、各市町議会議長、各経済団体、一次産業団体の代表ら14人。
経済産業省では本多平直大臣政務官と会談。原発ゼロを目指し、新増設を行わないとする政府見解との矛盾や至近距離にある道南への危険性を強調し、「30キロ圏、50キロ圏の自治体の意見を聞き、手順手続きをやり直してほしい」と工事中断を求めた。
工藤市長は会談後、記者団に対し「私たちの思いは受け止めていただいたが、今の法体系の中での容認という発言だった。それぞれの立場があり、即凍結や工事中断は難しいようだ」と述べ、今後、法改正が必要との認識も示した。
一方、電源開発では1日に来函した渡部肇史常務らが応対。市は1日に工藤市長が口頭で質問した▽原子力規制委の新たな安全基準が未定なのに、なぜ工事を再開するのか▽事故が起きた場合の被害想定や対策は―など10項目の質問状を公文書として手渡し、10月末までに回答を求めた。渡部常務らは安全対策に対応する考えを述べるにとどめたという。
一行はほかに首相官邸や環境省も訪ね、それぞれ斎藤勁(つよし)官房副長官、園田康博内閣府原子力防災担当副大臣に要請書を提出したが、具体的な要請への回答はなかった。工藤市長は電源開発訪問後、報道陣に対し「やはり建設ありきと感じた」と述べた。
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