ビブリオバトル 未来大で人気
update 2012/10/8 11:09
お気に入りの本を紹介し合い、読みたくなった本を決める書評合戦「ビブリオバトル」が公立はこだて未来大学(亀田中野町199)で人気だ。本を通じて知識や交流を深めようと愛好者は徐々に増加。7日には初の大会も開かれ、読書好きの学生が聴衆を前に読後感を熱弁した。
「言葉を発さずともできるコミュニケーションがある」。同日開かれたのは南北海道・青森ブロック地区決戦大会。今年6月に「未来大ビブリオバトル部」を立ち上げた同大3年の杉谷弥月さん(21)は、「非言語コミュニケーション」(新潮選書)を紹介。高校時代の人間関係を織り交ぜながら本の魅力を語った。約30人の観戦者は、うなずきながら聞き入っていた。
「書籍」を意味する「ビブリオ」の名を付けたバトルは2007年に京都大学で始まった新形式の学生向け読書会。一人の持ち時間は5分で、発表後は観戦者が3分間質疑する。全ての発表終了後、多数決で優勝者を決める。
当時京大に勤務していた角康之教授が昨年未来大に赴任し、杉谷さんら研究室に所属した学生にルールを紹介。大学祭で催しを行ったところ、学生や一般市民に好評だった。同大によると、全国組織のビブリオバトル普及委員会に所属する学生は、函館地区では杉谷さんのみ。
今月7日の同大会には、道教育大函館校の学生も含む4人が出場した。観戦者からは「本を読んだきっかけは」「専門書でも読みやすいのか」といった質問が飛び交った。
最後に全員の挙手で順位を決めた結果、新書「触感をつくる」(岩波書店)を取り上げた未来大4年の本多達也さん(22)が優勝し、21日の全国大会(東京)出場権を獲得した。本多さんは「本番直前に伝えたいことを読み直した成果が出た。全国大会の実感は湧かないけど、しっかり発表したい」と意気込んだ。
観戦した同大4年の成田桃子さん(21)は「語り手の言葉に共感できる場面があって、私も読んでみたくなった」と笑顔。杉谷さんは「今後は他大学へ広まるよう情報発信に努めたい」と話していた。
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