道南9月の日銀短観、景況感20年ぶりマイナス脱す
update 2012/10/2 10:50
日銀函館支店(中川忍支店長)は1日、9月の企業短期経済観測調査(短観)を発表した。渡島・桧山管内の企業の景況感を示す業況判断DI(「良い」とする割合から「悪い」とする割合を引いた指数)は、前回6月より4ポイント改善し全産業で0となり、1992年3月調査以来、20年ぶりにマイナスを脱した。2期連続の改善で、観光客の増加が全体を押し上げた格好だ。
マイナスを脱したことについて同支店は「全国的には海外経済の減速の影響を受け、景気は足踏みしている状態だが、道南は内需中心に回復している」とみる。先行きDIは4ポイント悪化しマイナス4と予測。製造業は欧州、中国など海外経済の減速、非製造業は観光客一巡への懸念から慎重な見方を強めている。
産業別では、製造業が7ポイント上昇しプラス10と、11年12月調査以来の水準に戻した。食料品は0で変動なし。機械は受注の下げ止まりで11ポイント増加しプラス22だった。
非製造業は4ポイントの改善でマイナス4と、5期連続で改善した。観光客の増加を背景に、宿泊・飲食・サービスが43ポイント上昇しプラス57に、運輸・郵便が22ポイント上昇し0とした。
一方、建設は12ポイント悪化のマイナス6。震災復興工事のピークが過ぎたことや価格競争などが要因。小売も10ポイント低下しマイナス40だった。
2012年度の売上高の計画は、製造業が前回調査よりも下方修正した一方、非製造業は上方修正した。
調査は8月下旬から9月下旬まで道南の102社(製造業30社、非製造業72社)を対象に実施した。
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