谷地頭温泉売却へ 市内業者に候補決定
update 2012/9/26 11:21
民営化に向け、函館市企業局が公募していた市営谷地頭温泉(谷地頭町)の売却先候補者が、市内で公衆浴場を運営する「ケーケーエム」(昭和2、金沢桃一社長)に決まった。今後、年内に正式契約し、来年3月に施設を譲渡する予定で、2年越しで売却が実現する見通しとなった。
売却先の公募は、名乗りを上げる民間事業者が現れず、空振りに終わった昨年度に続き2回目。本年度は土地、建物の最低売却価格を3億1350万円(税抜き)と、前回より約4割・2億円引き下げ、公募条件も一部緩和していた。
ケーケーエムは、市内で冠婚葬祭業を展開する函館平安システム(海岸町)のグループ会社。2002年開業の昭和温泉(昭和2)と、06年開業の山の手温泉(山の手3)を運営していて、温泉施設は今回が3カ所目となる。提案見積額は3億3350万円。
同局温泉課によると、7月上旬の企画提案の公募段階では、市内外の3社から申し込みがあったが、5日の学識経験者らによる選定委員会には2社が参加。同社については「安定的かつ継続して公衆浴場経営を行うことが期待できる」として評価点が最も高かった。決定は20日付。
同社の金沢俊司取締役は「市民に長く愛され、お湯も特徴的な温泉。できる範囲で時代に合わせて伝統を受け継ぎ、これまでと変わらず市民の健康と憩いの場にしたい」と語り、今後、施設内への飲食スペースの開設なども検討する考えを示した。
同温泉は1953年に開設。近年は施設を改築したピーク時の98年の半分近くまで利用者が減少し、99年から赤字が続いていた。同課は「価格の引き下げは売却の大きな弾みとなった。市民や観光客のために末長く施設を運営してほしい」と話し、民間の経営手腕に期待を寄せる。
今後は10月に仮契約し、市議会で関連条例の改正が可決されれば、12月にも本契約を結び、来年3月末に施設を引き渡す予定。
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