ポンポン船お披露目
update 2012/9/23 11:00
函館港で観光遊覧船を運航する共同通船(小林敏夫社長)は、明治末から戦後にかけて活躍した焼き玉エンジンで航行するポンポン船を復元。22日、函館ベイエリア遊覧船乗り場で一般公開を行った。全国的にも珍しい船をひと目見ようと、会場には大勢の人が詰めかけた。
焼き玉エンジンを搭載するポンポン船は、ディーゼルエンジンが普及する70年代まで全国の漁港で漁船や渡し船として活躍。熱した鉄球に油を噴射して爆発させ、ピストンを動かす。そのときに鳴る「ポンポン」というリズミカルなエンジン音が愛称の由来となっている。
同社がはしけ業者として創業した1919(大正8)年当時に使用していた船の写真を元に、1年ほど前から函館造船(陰山富司社長)が建造。7〜8人乗りの木造、全長は約10bで「共同丸」と名付けられた。
共同通船の小林社長は「焼き玉エンジンや木造船の技術を若い大工さんたちに伝承させる目的で復元した。合わせて函館の観光のために役立ってもらえたら」と話していた。見物に訪れた市内在住、佐藤紀子さん(77)は「戦争が終わった後、樺太からこの船に乗って北海道に渡ってきた。当時のことを思い出す」と懐かしんでいた。
今後はエンジンを中心に改良を重ね、来年4月に新たな遊覧船として運航開始を目指す。
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