大間原発建設再開容認 函館市長、国に抗議へ
update 2012/9/21 10:05
函館市の工藤寿樹市長は20日、市役所で記者会見し、建設中断中の大間原発(青森県大間町)の工事再開を政府が事実上容認したことについて「もしものことがあれば圧倒的に道南側が影響を受ける。言語道断で、怒りさえ感じる」と述べ、近隣市町、議会などと共同で近く政府に対して抗議することを表明した。
函館市は大間原発から最短で約23`にあり、国が昨年、原子力の防災対策を重点的に充実すべき範囲(UPZ)とした半径30`圏内に入る。工藤市長は大間原発建設の「無期限凍結」を主張し、国や事業者への要請活動は昨年6月と今年1月に続き3回目となる。
政府が14日に示した2030年代に原発稼働ゼロを目指す「革新的エネルギー・環境戦略」と、15日の枝野幸男経産相、18日の藤村修官房長官の「大間原発容認」発言について、工藤市長は「全く整合性が取れておらず、言っていることが支離滅裂」と批判した。
また、大間原発から50`圏内では「青森側の9万3000人に対し、道南側は37万4000人で、道側の方がはるかに影響が大きい」と強調。「大間が稼働すれば50年代半ばまでずれ込み、我々の地域が日本の原発で一番最後まで付き合わざるを得なくなる」と猛反発した。
市は国の一連の発言に関する抗議に加え、あらためて建設凍結を求める考え。従来通り50`圏内の北斗市、七飯町の首長や議長と共同歩調を取るほか、函館商工会議所の松本栄一会頭とも同一行動を取ることで一致。今後、高橋はるみ知事にも協力を呼びかけ、農協や漁協、観光業界などとも連動する方針。
要請にあたり、市議会の決議とは別に文書を作成。連名者は渡島管内の少なくとも十数団体に上るとみられ、10月上旬にも上京する方向で調整している。
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