反日デモ 観光に影響、中国客の宿泊キャンセルも

update 2012/9/20 10:08


 沖縄県の尖閣諸島をめぐり、中国国内で連日続いたデモと反日感情の高まりは、函館市内の観光施設などにも影響を与えている。市内のホテルでは中国からの観光客のキャンセルが出たほか、関係者からは一気に冷え込んだ両国の関係を懸念する声が聞かれた。一方、民間交流を進める団体は市民レベルでの交流に影響はないとし、早期の問題解決を願っている。

 市内のあるホテルでは10〜11月の中国からのツアー7件、200人の予約がキャンセルになった。ホテルの支配人は「一番利用が多いのは台湾からの客で、全体的に見れば影響は限られている。ただ、早く問題が解決しないことには売り込みもできない」と話す。

 中国からの誘客に力を入れる全日空函館支店は今月、中国の旅行会社を招き、市内の観光地をPRするプロモーション活動をした矢先に反日デモが拡大した。同支店では「しばらくはプロモーション活動ができる雰囲気ではない」とため息をつく。

 函館市も6月に北京と上海で観光プロモーションを行ったばかり。市観光コンベンション部では「震災の影響から脱し、函館観光が持ち直しの動きを続けているだけに、今回の問題は残念」とし、「事態が好転するのを待つしかない」と話した。

 観光関係者からは両国の関係を懸念する声が上がる一方、民間交流には影響が出ていない。函館日中友好協会の東出隆司会長は「今の段階で本年度の留学生の受け入れや、行事の中止、変更はなく、市民レベルの交流には問題はない」と友好関係を強調。「尖閣諸島の問題は国と国との問題だ」と指摘した。

 留学生を受け入れ、さまざまなプログラムを行う北海道国際交流センターの池田誠事務局長は「長年の間に築かれた人と人のつながりがある。反日デモがあっても民間との交流に直接的な影響は起こらないのでは」と話していた。

提供 - 函館新聞社


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