道南各首長ら一斉反発…経産相の大間原発建設容認
update 2012/9/19 10:22
枝野幸男経済産業相が、建設工事を中断している大間原子力発電所(青森県大間町)の建設再開・稼働を事実上容認する考えを示したことに対し、同原発から至近距離にある道南の各自治体首長らは18日、「納得できない」などと一斉に反発した。今後函館市や市議会を中心に、経産省などに対して再度の抗議活動を行う可能性も出てきた。
政府は14日決定した「革新的エネルギー・環境戦略」で、2030年代に原発稼働をゼロにする目標を明記。しかし、枝野経産相は15日、青森県での会合で「原子炉の設置と工事計画許可が与えられている原発について、経産省の立場として変更は考えていない」と発言した。
これに対し、函館市の工藤寿樹市長は市総務部を通じて「政府のエネルギー・環境戦略と矛盾する発言で、支離滅裂」と厳しく批判。今後も無期限凍結を求めていく方針は変わりなく、市議会や周辺市町と連携し、何らかの抗議活動を行うことを検討している。能登谷公市議会議長も「とんでもない話。30年以降も動かすことになり、民主党のちぐはぐさを感じる」と憤る。
北斗市の高谷寿峰市長は「建設工事中で新増設には当たらないという解釈なのだろうが、福島第一原発事故を検証し、安全性について国民的合意が得られるまでは建設工事を再開してほしくはない」と述べ、今後も函館市や七飯町と共同歩調で無期限凍結を訴えていく考えを示した。改行 七飯町の中宮安一町長も「建設凍結になると思っていたので、納得いかない」と批判。同原発が16年にも稼働する可能性があることから「仮に30年代で原発をやめたら、『もったいない論』が出てくる。一回決めたものでも、間違っていたと思うならやめればよい」とする。
函館の市民団体「大間原発訴訟の会」の竹田とし子代表(63)も、脱原発や新設・増設を認めないという方針との整合性がないことなどを指摘し、「函館側の声をもっと真剣に聞くべきだ」と注文する。
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