縄文遺跡群の価値紹介 世界遺産登録目指し札幌で国際シンポ
update 2012/9/18 10:10
【札幌】北海道、東北3県にまたがる縄文遺跡群の世界遺産登録を目指した国際シンポジウムが17日、札幌市中央区のロイトン札幌で開かれた。実際に遺跡群を視察した海外の専門家4氏が講演し、縄文文化の魅力や世界遺産登録の可能性などについて語った。
文化庁と、4道県、関係12市町で構成する縄文遺跡群世界遺産登録推進本部が主催。同遺跡群の世界遺産登録に向け、国内外に学術的な価値をアピールする目的で開いた。
約200人が出席し、同推進本部の副本部長を務める高橋はるみ知事が「縄文文化とその遺跡群について理解を一層深めてほしい」とあいさつ。次いで、海外の専門家が講演し、国際記念物遺跡会議(ICOMOS、イコモス)考古学遺産管理委員会共同代表のダグラス・コマー氏(米国)と、同委員会委員のジョン・ピーターソン氏(同)、同委員会専門委員のシンティア・ダニング氏(スイス)、中国社会科学院考古研究所考古学センター副所長の劉國祥(りゅうこくしょう)氏(中国)の4氏が事例発表などをした。
自然と人間が共生しながら約1万年続いた縄文文化について、コマー氏は「実際に視察し驚くべき発見をした。世界遺産登録に向け説得力のある事例」との認識を示した一方で、「登録に伴う周辺整備や開発を慎重に進めながら管理維持する必要がある。登録に向けた推薦書類にはどのように管理保全していくかをきちんと説明し、世界の模範となるよう期待したい」と述べた。
4氏の報告のほか、縄文遺跡群世界遺産登録推進会議座長で、青森県教育庁文化財保護課の岡田康博課長が世界遺産登録に向けた取り組みを紹介。シンポジウムの前に行われた4氏と国内専門家による意見交換について、縄文遺跡群世界遺産登録推進専門家委員会の菊池徹夫委員長が「(4氏には)縄文文化の精神性を理解していただき、好意的な評価をいただいた」と述べた。
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