北海道馬頭観音研究会が紹介冊子発刊

update 2012/9/18 10:09


 北海道馬頭観音研究会(高久賢会長)はこのほど、「渡島・桧山の馬頭さん」を発刊した。両管内に現存する241基の馬頭観音を紹介した冊子。道内では開拓の早い地域だけに「建立年代の古いものが多く、他の地域では見られない特徴をもった馬頭さんが現存している」(高久会長)と説明している。

 馬頭観音は馬の慰霊や安全守護への信仰対象として数多く建立された。同研究会を主宰する高久会長(78)=胆振管内白老町在住=は教員を退職後、「本道開拓に大きな役割を果たした馬の文化を記録したい」と本格的に道内での研究を開始。市町村教委や郷土史家らの協力を得て、これまでに後志、空知、十勝、胆振、日高、石狩の調査を終え、冊子を発刊している。

 調査の結果、道内3425基のうち、渡島管内には196、桧山管内には45の馬頭観音があることが分かった。江戸時代に建立された道内20基のうち、両管内に16基が現存するなど、「全体数は多い方ではないが、歴史のある馬頭さんが多数残っている」(高久会長)という。

 珍しい特徴をもった馬頭観音としては、森町禅昌寺にある屋号入りのものや、函館市恵山の尻岸内八幡神社に残る「大山祇神(おおやまずみのかみ)」と合体したものが挙げられるという。第13代松前藩主の崇広が愛馬の名を記して建立した「駿足東雲墓」や札幌開拓に功績を残した大友亀太郎が七飯町につくった馬頭観音も貴重だ。

 冊子はA4判72n。両管内の全241基を市町村別の一覧表で記録しているほか、冒頭ではカラー写真で大半を紹介している。1冊1500円で販売している。問い合わせは同研究会(TEL0144・83・2200)。

提供 - 函館新聞社


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