昨年度連結決算 函館市2年連続で黒字 一般会計は実質赤字

update 2012/9/13 10:27


 函館市の一般会計、特別会計、企業会計を合わせた2011年度全会計連結決算は26億5400万円の黒字で、2年連続で黒字を確保した。一般会計は10億3154万円の黒字だったが、地方交付税減少に伴う退職手当債発行などで、実質的には3億7000万円の赤字となっている。

 一般会計の歳入は、市税がたばこ税の伸長で市民税の落ち込みをカバーし、前年度比で約5500万円増加。一方で地方交付税は10年の国勢調査での人口減少が影響し、予算比で7億9300万円減少し、前年度比でも7億2000万円減少。臨時財政対策債を含めた総額では18億3200万円の大幅減だった。

 歳出では光熱費やコピー代などの経常費を約8億円圧縮、職員給与を1月から平均5・5%削減して1億3900万円を生みだしたが、交付税減額分の穴埋めはできず。基金を4億円取り崩し、退職手当債10億円を発行して黒字を保った。

 自主財源の割合の高さを示す財政力指数は11年度で0・450と、前年度比で0・12ポイント悪化しており、市財政課は「地方交付税の増減が大きく影響した結果」と分析している。

 特別会計では、自転車競走事業(競輪)と国民健康保険事業で単年度赤字を計上し、全体では6億850万円の赤字。企業会計では病院事業で4億5300万円の単年度黒字を計上し、09年度に約24億円(公立病院特例債を除く)あった累積赤字は6億8900万円まで圧縮された。

 自治体の財政状況は財政健全化法に基づき、@普通会計の実質赤字比率A全会計の連結実質赤字比率B実質公債費比率C借金の将来負担比率―の4指標を示すことが義務付けられている。11年度は@、Aとも黒字のため数値はなく、標準財政規模(市税と地方交付税)に対する借金返済の割合を示す実質公債費比率は8・2%で前年度と同率。借金の将来負担比率は96・4%と、前年度比で13・2ポイント改善した。

 市監査委員は意見書の中で「人口減少により、一般財源の大幅な増収が見込めない状況が続く。中長期的な財政需要を見通しながら、行財政改革の推進を」と述べている。

提供 - 函館新聞社


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