被災地に絵本送り1万5000冊

update 2012/9/6 10:08


 函館のボランティア団体「被災地の子どもたちに絵本を送ろう!」函館プロジェクト(森越智子、岸本和子共同代表)が東日本大震災の被災地支援を地道に続けている。昨春から東北3県に送った絵本、児童書は今年8月末で1万5000冊を超えた。今も配送希望者が相次いでおり、関係者は「いつまでも本を必要とする人の支えになりたい」と明るい声を出している。

 同プロジェクトは、函館の絵本作家森越さんと、絵本の読み聞かせ活動をしている岸本さんが「絵本を通じて生きる希望を持ってもらおう」と昨年4月に発足。寄付金などを活動費に、道内外から寄せられた絵本を各地の小学校、保育所など170カ所以上に送り続ける。

 昨年に続き、この夏も「ふくしまキッズ夏季林間学校」に参加した子どものためにと、臨時図書室を七飯町の流山温泉内に開設。自由に読んでもらうだけでなく、帰り際に絵本の配送希望者を募るチラシを手渡したところ、その保護者や周囲の子育て支援団体などから希望者が相次いだ。岸本さんは「絵本に親しむ子どもの姿が活動の励みになっている」と振り返る。

 今月5日は活動拠点の函館市地域交流まちづくりセンター(末広町)で、25人が400冊の配送準備に汗を流した。小学校低学年向けの本に人気が集まる半面、数多く残る高学年向けの児童書や、新たな送り先の開拓をどうするかなど課題は多いといい、岸本さんは「潜在的に絵本を読みたがっている子どもはたくさんいるはず。被災者に知り合いがいる函館市民も気軽に紹介してほしい」と話している。

 絵本の配送希望者は森越さん電話0138・32・6224。

提供 - 函館新聞社


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