函館競輪キャラクター「りんりん」崖っぷち

update 2012/9/5 10:26


 函館競輪のPRキャラクター「りんりん」が存亡の危機にある。10月までに同競輪場の本年度の入場者目標を達成できなければ、活動休止に追い込まれる事態に。競輪のファンや売り上げが減少傾向にある中、誕生から約30年のゆるキャラに「ゆるくない試練」(運営会社)が課せられている。

 市競輪事業部などによると、りんりんは競輪場職員が「くま」の愛称で考案し、1983年ごろには生存≠ェ確認されているが、正確な記録は不明。90年には一般公募で「りんりん」に改称し、07年には妹の「ぷりりん」も登場した。

 道内唯一の競輪場を広くPRしようと、クマがモチーフの競輪選手という設定だが、全国的なゆるキャラブームにあっても存在感は薄く、市民の認知度もいまいち。握手会を開いても用意したサイン色紙が山積みで余るなど人気が低迷していた。

 今回のミッションは、本年度の同競輪場の来場者数目標の10万2477人を達成できなければ活動休止、というキャラ生命を懸けたもの。水面下で新キャラ構想も浮上する中、本年度からはインターネットの交流サイト「フェイスブック」も始め、りんりんがPRに奮闘する姿を伝えている。

 厳しい業務命令の背景には、車券の売り上げや入場者数の減少で、全国で競輪事業が存廃の岐路に立たされていることがある。函館競輪場もピーク時の1975年には年間約53万5000人が来場したが、2001年以降は10万人を割り込んでいる。

 本年度は10月21日までの開催日程だが、8月末時点の来場者は6万5928人と、目標ペースより約9000人少ない厳しさ。市から包括運営委託を受ける日本トーター函館競輪事業所は「普段は感じられないスリルやドキドキ感が競輪の魅力。まずは気軽に競輪場に足を運んでほしい」と呼びかけている。

提供 - 函館新聞社


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