市電の価値を再確認…参加型デザインワークショップ
update 2012/8/31 10:10
学生や市民、事業者らが函館市電の未来を考える「参加型デザインワークショップ」は最終日の30日、4日間の現地調査などで練り上げた活性化策を市地域交流まちづくりセンター(末広町)で発表した。車内や電停などの斬新なアイデアがあふれ、移動手段にとどまらない市電の存在価値を再確認した。
公立はこだて未来大、東京工業大、多摩美術大の3大学の共催。市民や事業者も参画し、デザインという切り口でスケッチや乗客への聞き取り、ミーティングを重ね、27日から「移動の未来」を考えてきた。
発表会では、3班に分かれた学生や教授グループが寸劇や模型などを駆使して案を披露。ある班は車内に運転士のプロフィールを載せ、「顔の見える関係」をつくることを提案。市交通部の藤田光部長は「乗客との距離が縮まり、乗務員にも責任感が生まれる」とメリットを強調した。
このほか、車内に沿線地図を置き、市民や観光客らが感じる魅力を小さな紙で貼り付け、「市民と観光客のコミュニケーションを考えた」グループも。教授らだけのプロ集団は、電停に着目し、カフェや買い物ができたり、車両ごとの物語を絵本にして提供したりするアイデアを発表した。
最後に全員で意見交換し、市民からは「市電は単なる移動手段ではない」、事業者からは「市電は利用される皆さんの財産と再認識できた」などと建設的な声が広がった。未来大3年の高石梨香子さん(20)は「現場に出てみてデザインは実世界に溶け込ませることが大事だと分かった。市電への親近感がわき、大好きになった」と目を輝かせていた。
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