市防災訓練 市民も実践
update 2012/8/29 10:25
函館市の防災総合訓練が28日、函館港港町埠頭(ふとう)(港町2)などで行われた。東日本大震災を教訓に、今年は消防や警察などの防災関連の行政機関だけではなく、住民参加型の訓練を函館西中(弥生町)で初めて企画。避難方法や避難所の運営など各自が体験しながら確認した。
総合訓練は40回目で、同時刻に2会場で別の訓練を行うのは初めて。震度6強の地震が起き、津波警報が発令したとの想定で、従来の大がかりな訓練を披露する「展示型」から、住民の避難を重視した「実践型」に転換した。
第2会場の西中での訓練には生徒や近隣町会、保育園などから約430人が参加。参加者は徒歩で次々と体育館に集まり、避難途中で道に倒れたけが人を運ぶ抜き打ち訓練もあった。
会場では、車両から体育館へとリレー形式で水や支援物資を運んだり、地震に伴う火災や家屋の倒壊に備え、バケツリレーでの消火活動や住民らの手で担架を使った搬送救助を手伝ったりした。
住吉町会の亀谷敏正副会長(67)は「住民主体となったことで緊張感や責任感も生まれた。避難の心構えはできた」と有意義そう。炊き出しを手伝った西中3年の齋藤沙季さんは「体育館が蒸して大変だった。いざという時は若い力で、助けられる人ではなく助ける人になりたい」と頼もしかった。
一方、市地域交流まちづくりセンターの丸藤競センター長は「市の担当者の声が聞こえず、どこまで自分で判断すればいいのか分からない人が多かった。避難所で行動を束ねるリーダー役や臨機応変な役割分担が必要」と指摘した。
また、港町埠頭での訓練には公的機関をはじめ、町会などから約800人が参加。無線などでの情報伝達やビル屋上からの救助など24の訓練を実施し、工藤寿樹市長は「多くの市民の参加による貴重な経験を今後に生かし、防災に強いまちづくりに取り組みたい」と講評した。
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