市住借上料「廃止を検討」 函館市が事業仕分け
update 2012/8/20 11:01
函館市の外部委員による事業仕分けが19日、市役所で行われた。10事業を2班に分かれて審査。西部地区への定住化促進を目的とした借上市営住宅借上料(本年度予算=3億228万円)に関し、同地区活性化の方法は他に選択肢があるなどとして「廃止を検討」と判定した。
廃止検討は委員6人中、4人が判定。入居者の家賃収入を差し引いた市の持ち出し分が毎年約2億円あることから、同地区の民間賃貸住宅の空き家対策として新婚世帯に家賃の一部を補助する「西部地区ヤングカップル住まいりんぐ支援事業」などの活用でも定住化を促進できると指摘があった。
このほか、委員からは「借主と特定の建物所有者に受益者が限定される点に重要な問題がある」「西部地区の人口流出を防ぐためとはいえ、誰のためにある制度なのか」といった意見も上がった。
3月末の管理戸数は12棟333戸。このうち入居戸数は332、入居率は99・7%となっている。そのため「過疎対策において、一定の効果はみられる」などの声も上がった。
市は借上住宅を増やさない方針をとっており、2009年度以降の新たな借り上げ住宅はない。
住宅の借上期間を20年と定めているため、委員からは「入居者や建物所有者の権利に配慮しながら、期間が終了してから廃止するべきでは」との声もあった。
事業仕分けは次回、26日に行われる。
<借上市営住宅制度>民有地の所有者らが新築する共同住宅建設費の一部を国と市が補助し、建築後に一括して借り上げる制度。建設費が不要な上、良質な公営住宅を供給できるなどのメリットがあり、函館市は2000年度から人口減少の著しい西部地区で進めてきた。
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