新規店舗参入、各種イベント……今夏の大門 活気戻る

update 2012/8/19 12:39


 函館市の繁華街、駅前・大門地区は今夏、新規店舗の参入やイベント開催による集客増で、ここ近年にない活気を見せている。昨夏は東日本大震災が影響し、飲食店や宿泊施設で入り込みに苦戦した経緯があるが、今夏はその影響を脱し、例年以上の実績を上げているところも。かつてのにぎわいを取り戻すきっかけとなるのか、地元業者には期待感が芽生えている。

 WAKOビル(若松町20)は、東急ハンズのフランチャイズ(FC)店「トラックマーケット」開店が市民の集客増に貢献している。7月の同ビル来館者は前年比10万人増の約270万人となった。

 また、7月から8月にかけて大門ジャズや大門合同学生祭、港まつりなどイベントが目白押し。ミッキーマウスらディズニーキャラクターが登場した8月2日のワッショイはこだての時はピークに達し、「8月の入館者も昨年より多くなりそうだ」(同ビル)と話す。

 はこだてティーエムオー(TMO)が運営する函館ひかりの屋台「大門横丁」(松風町、26店舗)の7、8月の入り込み客数は「前年並み」で推移。昨年は震災の影響などもあり、7月が前年比6%減、8月が同2%減だった。入り込み数や売上高は月遅れで集計されるため、今年のデータはまだないが「この夏は地元客が増えているようだ」(同社)と手ごたえを感じる。

 お盆休み期間中の10〜16日にグリーンプラザで初開催したビアガーデンが盛況。同社は「ビアガーデン終了後の午後9時以降に横丁に流れた客も相当いたのでは」と分析し、「今夏は雨天が少なく、観光客らが飲食店に繰り出しやすい環境となっている」とし、一層の集客を狙う。

 地区内の宿泊施設も軒並み昨年の実績を上回り、ロワジールホテル函館(若松町14)は今年6〜8月中旬までの宿泊客数、レストラン利用客が昨年同期の約10%増。例年ベースも上回る実績といい、同ホテルは「この時期の観光客の入り込みが復活したのが大きい。このままの状態を維持し、冬の観光シーズンを迎えたい」(企画広報室)としている。

 今年6月に現在地に移転した青果店「箱館夢八商店」(松風町6)は6月と比べ、行事の多い7、8月の売り上げが好調。同店は「常連以外の客が来店している。イベントをきっかけに地域が盛り上がれば」としている。

 一方で、このにぎわいが必ずしも地域に根付いた商店街や小売店の実益につながっているとは言い切れない。8月の売り上げが落ち込んだという老舗店の店主は「現状はシャッターを閉じる店が増える一方。時期やイベントに関係なく人が行き交ってほしい」と、かつての輝きを願う声も聞かれる。

提供 - 函館新聞社


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