市文学館、啄木企画展の資料一冊に

update 2012/8/18 11:17


 函館市文学館(藤井良江館長)がこのほど、末広町22の同館で10月10日まで開催中の「啄木没後100年特別企画展」の展示資料を一冊の図録にまとめた。最晩年の啄木の直筆日記や書簡などをカラー掲載したほか、啄木や妻節子の人物像を補完するパネル76点も全て収録。18日から同館受け付けで販売する。

 パネルは前館長で市文化・スポーツ振興財団専務理事の森武さん(64)が制作。企画展では図録の希望者が相次ぎ、同館でも「展示して終わりではなく、何らかの形に残そう」と図録化を決定。市中央図書館啄木文庫の協力を得て今春から本格的に準備した。

 前半6nは、闘病生活に入った啄木の直筆日記のデジタル画を中心に掲載。節子が「愛一つが命のつなです」と夫への愛を誓う手紙、東京啄木会による第1回追悼会出席者署名帳といった、「啄木研究家でも見たことがない貴重な資料も読める」(森さん)のが特徴だ。

 残る41ページは全14項目を啄木と節子にテーマ分けし、関連写真を挟んで掲載。貧困と病魔に苦しみ借金を繰り返す啄木が自己を乗り越えていく日記や手紙のほか、あまり語られることがない節子の心中を伝える手紙なども載せている。

 図録は全国の文学館などに寄贈予定。森さんは「啄木には負のイメージがつきまとうが、そればかりでは100年もの間人々に愛されることはなかったはず。ここから人間啄木を感じ取ってほしい」と話している。

 A4版。2000部発行し、1部1000円。郵送希望者は近く開設する専用の振り込み口座に入金すること。詳細や申し込みは同館電話0138-22-9014。

提供 - 函館新聞社


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