ニューイトヘイ大門店 60年の歴史に幕

update 2012/8/9 11:26


 函館市松風町4の老舗手芸用品店・ニューイトヘイ大門店が15日、たくさんの常連客に惜しまれながら、60年以上にわたる歴史に幕を閉じる。

 1947年に創業者の中澤竹也さんが、大門広小路(松風町9)に店を構え、北洋漁業の乗船員を相手に毛糸などを販売。1951年に、手芸用品の専門店として大門店を開いた。

 竹也さんの長男の真一さんの代には、化粧品を扱う店を中心に、市内で12店舗を展開。しかし、真一さんが2002年に亡くなり、家族は閉店も考えた。

 それでも先代が苦労して築きあげた店を続けたいという思いで、真一さんの妻の道子さん(65)が大門店、東京でメーキャップアーチストをしていた長男の徳郎さん(38)が帰郷し、化粧品を中心に扱う広小路店を担当。2店舗を継続させ、専門的な知識と、丁寧な接客で、多くの常連客に愛されてきた。

 だが、道子さんはこのたび、高齢の母の介護に専念するため、大門店の閉店を決めた。「先代や支えてくれたスタッフ、そしてお客様のおかげでここまで続けることができた」と感謝の言葉を口にした。閉店を知って訪ねてきた70代女性は「20代のころからお世話になっていた」と話し、長く地元で愛された店の閉店を惜しんでいた。

 広小路店は2003年に「cosme de ias(コスメドイアス)」としてリニューアルし、これからも徳郎さんが営業を続ける。

提供 - 函館新聞社


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